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記事題目

「浄宗朝鮮開敎の整理期來る 當局の大體方針」

作者

雑誌名

『中外日報』

号数等

年月日

1920年8月4日

本文

朝鮮に於る浄土宗の開敎に就て宗務當局は整理の必要を述べて曰く、朝鮮に於ける本宗の布敎所及寺院の財産をば布敎資團に編入するを原則と爲せども未だ編入の手續を了せざるもの少からず各布敎所寺院を通じ設立以來全然宗門の補助を受けざるはなきも其土地を所有し堂宇を建築する際には其地方の信徒の寄付を主とし之れに対して宗門より
必要に応じ補助金を交付したるが如く例へば十萬圓の土地及堂宇に対し宗門は一二萬圓を補助し餘は信徒の拠金に成りし事情ある故に之を宗門の布敎資團中に統一するに就て關係信徒の諒解を得難きこと抔ありて漫延を來たし居れるが布敎所寺院の財産管理の安定を圖り朝鮮布敎の基礎を確立するには宗門として是非布敎資團を以て統一するの必要を感じつゝあり、又た
朝鮮開敎費は宗議會の協賛を以て宗門より毎年豫算を定めて支出し居るが故にその額は明瞭なれども朝鮮に於ては右開敎費の外に宗門が朝鮮にて所有する土地家屋等の財産より得る収穫を従來朝鮮開敎区の収入として別に宗務所に報告せずして開敎上の經費に使用しつゝある爲めに、朝鮮の開敎費として實際如何ほどの金額を要しつゝあるか宗務所に於いて明瞭ならざれば
之れが整理の必要に迫られつゝあり、宗務所が朝鮮開敎に要する總額を知らずと云はゞ奇怪に感ぜらるゝならんも従來の成行上右の如くなり居る次第なるが斯くて監督上に於ても不便少からざるを以て開敎区が朝鮮の土地家屋等より獲る所得の収支を明細に宗務所に報告せしめ管理上の統一を圖らんことを期し、今回開敎区長として久家氏の就任せるを機會とし、整理方に付き打合を進めつゝありといへり。

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