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記事題目

「朝鮮民族解放運動と敎務院の關係」

作者

雑誌名

『中外日報』

号数等

年月日

1929年3月21日

本文

朝鮮參十本山の敎務院が朝鮮独立運動の陰謀に加擔したことが世間を騒がして居るが、其後右につきて朝鮮佛敎團關係で常にその方面と關係のある某氏の語るところによれば、
何も別に新しい事として騒ぐ程の事もないだらう、それ程全鮮に亘つてかうした系統的な思想があることは既に知られて居る、ことに敎務院がこの陰謀に加擔して居ることも知らぬは官憲のみで他には周知的な事である、元來この独立運動に力をそそいで居たのは初めは例の基敎系であることも有名で、朝鮮の基敎といへば牧師あたりが煽て居たことが非常に多い、然るに最近基敎のそれも宣敎には駄目であり鮮人中の独立運動者も基敎の貧弱なる資金に見切りをつけて何がな方向を向けたのが李朝五百年間山の中に押し込められ而かも大山を擁して居る本山の資源の豊富なるに見込みをつけ、更に陰謀者としてはその本山に遁げこむのが最も安全だからそこに目をつけたのだ、何分にも山の中に立てこもつて居る本山住持聯は言はゞ世間知らずだ、日本がどんな國柄か何か判らない、ところへもつて行つてこゝに煽てるのだから真正直に陰謀團のそれを受けて居たのだ、サア要はこの官憲の手もこれを動機に今まで未踏の地とされた本山が根本的に大鉄槌を加へられることになるであらうがそれは必ず逆縁としてこの五百年間世間へ出ぬ本山の秘が浦かれ根本的に改革され朝鮮佛敎の運動が却つて正しき歩みをなすに至るであらうと思ふ云々。

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